バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 他人がどのように感ずるかを知りたいと思えば,我々はその人の立場に立って,その人のものの見方で世界を見るようにしなければならない。だが他人が何をするかを知りたければ,我々はちょうど天文学者が月や木星を観測するように,その人をまったく外側から見る方が賢明だということがわかるだろう。この2つの視点の違いは,国家の行動に関する場合,非常にはっきりする。

If you want to understand what a man feels, you must learn to put yourself inside his skin and to see the world from his point of view. But if you want to know what he would do, you will find it wiser to regard him quite externally, as an astronomer regards the moon or the planet Jupiter. The difference between the two points of view comes out most clearly where the acts of nations are concerned.
 出典: As others see us.In: Mortals and Others, v.1, 1975.
 詳細情報:http://russell-j.com/AS-O-SEE.HTM

 <寸言>
 補足説明は不要と思われます。
 結局,いろいろな視点でものを見る必要があり,一方的な視点でものをみたり(納得したり)してはいけないということですね。

 帝国主義時代には,たとえばフランスがベトナムを植民地にしたやり方(現地人をキリスト教化するためにまず宣教師を送り,次にベトナム在住の宣教師たちの命(某首相がいう国民の生命)を守るために軍隊(ここでは海軍)を派遣するというステップをとりました。
 (参考) http://russell-j.com/cool/61T-0001.HTM

 帝国主義時代には,米国もソ連も,英国も,日本も,全ての強国が同じようなことをしました。第二次世界大戦後も,石油利権などのエネルギー資源の権益を守るためにアメリカ始め各国が軍隊(武力)を中東その他に送っています。

 最近では,かつての強国のやり方をまねて,中国も民間企業の権利(権益)を断固として守るといって,護衛艦などを南シナ海ほかに送っています。いつぞやも、ベトナムで中国人がベトナム人暴徒により殺されました。国外でのことなので,「(中国)国民の生命を守る」という名目で軍隊を送るところまではいかないだろうと思われますが,過去には大国がそのようなことをよくやっていました。

 某首相も,憲法解釈の変更によって,集団的自衛権を認めることにより,自衛隊を軍隊らしく,指揮できるようにしたいと,武器の三原則を緩め,世界中の同盟国や友好国に日本製の武器を売り,経済の再生の一助にしようとしています。あくまでも,「日本国民の生命を守るため」という尊い志からと言うのであれば,小競り合いではなく,戦闘にいたるような場合は,高邁な政治家のご子息は,司令官としてではなく,最前線で一兵卒として,国民のために戦うという(自発的?)ルールで対処してもらいたいものです。