バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 誠実(正直)であるという習慣を身につけることは,道徳教育倫理教育の主な目的の一つでなければならない。私が言っているのは,発言の上で誠実(正直)であることだけではなく,ものを考えること(思考)においても誠実(正直)であることも含んでいる。事実,両者のうち,後者のほうが私には一段と重要であるように思われる。私は,最初無意識的に自分をあざむいているうちに,やがて自分は道徳的であり誠実(正直)であると思いこむような人よりも,自分が何をしているかを十分意識しながら嘘をつく人のほうを,むしろ好む。

To produce the habit of truthfulness should be one of the major aims of moral education. I do not mean truthfulness in speech only, but also in thought; indeed, of the two, the latter seems to me the more important. I prefer a person who lies with full consciousness of what he is doing to a person who first sub-consciously deceives himself and then imagines that he is being virtuous and truthful.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 8: Truthfulness
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE08-010.HTM

 <寸言>
 政治家には多いタイプですが、特に安部政権の関係者のなかには、「無意識的に自分をあざむいているうちに,やがて自分は道徳的であり誠実(正直)であると思いこむような人たち」が、掃いて捨てるほどいるように見えます。そういった人たちを支持する人たちは、騙されやすい人か、あるいは安部政権関係者同様に「ものを考えること(思考)において誠実(正直)でない=知性を軽視する」人たちが多いのではないかと想像してしまいます。