子供たち(幼児)は,マイペースで学習するので,無理じいするのは誤りである。生涯を通じて,努力ヘの大きな刺激となるのは,最初の困難を切り抜けて成功するという経験である。その困難は,落胆させるほど大きくてもいけないし,努力ヘの刺激にならないほど小さくてもいけない。生まれてから死ぬまで,これは根本的な原則である。
Children learn at their own pace, and it is a mistake to try to force them. The great incentive to effort, all through life, is experience of success after initial difficulties. The difficulties must not be so great as to cause discouragement, or so small as not to stimulate effort. From birth to death, this is a fundamental principle.
出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2: Education of character, chap. 3: the first years.
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE03-080.HTM
<寸言>
少し努力すればうまくいくという「成功体験」を積み、少し自分には難しそうと思える目標でも、たとえば10のステップ(なかには数十のステップ)を踏めば不可能ではないということを実感するようになれば、生涯を通じて、自分で目標をたてて努力するというよい習慣を身につけることができる。後は、その目標がどれだけ自分にとって魅力的かということであろう。つまり、そういった生涯に渡っての努力も苦にならない魅力的な目標を発見できるかどうかで、その人がどこまで成長できるかが決まってくると言えるであろう。