幸福に寄与するものは,人びとを観察することを好み,個々人の特徴に喜びを見いだす種類のものであり,(また)接触するようになった人びとの興味や楽しみのための機会を与えたいと願い,その人たちに対する影響力を獲得したいとか,その人たちの情熱的な称賛を得たいとかいうことは願わない種類のものである。他人に対して真にこうした態度をとれる人は,(他人にとっての)幸福の源泉になるだろうし,またお返しの親切の受け手になるだろう。
The kind that makes for happiness is the kind that likes to observe people and finds pleasure in their individual traits, that wishes to afford scope for the interests and pleasures of those with whom it is brought into contact without desiring to acquire power over them or to secure their enthusiastic admiration. The person whose attitude towards others is genuinely of this kind will be a source of happiness and a recipient of reciprocal kindness.
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.10:Is Happiness still possible?
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA21-070.HTM
<寸言>
親の子供に対する愛情は,他の愛情に比べれば比較的「無私」である。 恋愛においては,無私であるように見えて,そうでない場合が多い。 相手に対する独占欲は,最初は深い愛情のように見えて,相手もそれに応えるかもしれないが,割合早く束縛と感じられるようになり,破綻し易い