しかし、世論に本当に無関心であることは、一つの力であり、同時に幸福の源泉でもある。そして、因習に過度に屈しない男女からなる社会は、誰もが同じようにふるまう社会よりもずっと面白い社会である。各人の個性がそれぞれ伸ばされているところでは(個性の)タイプの違いが保存されており -彼らはこれまでに出会った人びとの単なるレプリカ(複製物)ではないので- 新しい人々に会うだけの価値がある。
But to be genuinely indifferent to it is both a strength and a source of happiness. And a society composed of men and women who do not bow too much to the conventions is a far more interesting society than one in which all behave alike. Where each person's character is developed individually, differences of type are preserved, and it is worth while to meet new people, because they are not mere replicas of those whom one has met already.
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.9: Fear of public opinion
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA19-060.HTM
<寸言>
特定の英雄や能力のある者だけでなく,多くの人々の個性が尊重される社会は善い社会。今の社会はどうか。競争を必要以上に重視していないか? 必要以上に競争を重視したり強調したりする社会は,弱いものや敗者(「負け組」という不適切な言い方がある。)に対し,言葉では「何度でも挑戦できる社会を実現」とかいって,敗者を自分たちが大量に生産していることをカモフラージュする。某首相も,追従者も,巧言令色鮮し仁。