専門家の意見は別として、概して、重大な問題でもささいな問題でも、他人の意見が尊重されすぎているのではないかと、私は思う。一般的に言って、飢えを避け、刑務所に入らないようにするために必要な限りで世論を尊重すべきであるが、それを越えて世論に耳を傾けるのは、自発的な無用な暴力への服従であり、あらゆる形で幸福を邪魔する傾向がある。
> I think that in general, apart from expert opinion, there is too much respect paid to the opinions of others, both in great matters and in small ones. One should as a rule respect public opinion in so far as is necessary to avoid starvation and to keep out of prison, but anything that goes beyond this is voluntary submission to an unnecessary tyranny, and is likely to interfere with happiness in all kinds of ways.
出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.9: Fear of public opinion
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA19-060.HTM
<寸言>
気にそまないことはできるだけやらないようにしたほうがよい。
個人個人の意見は,拝聴すべきものがあったとしても,世論というかたち(多くの場合マスコミが,醸成することが多い)では,不適切であったり,他人を傷つけたり,良いものを押しつぶしたりすることが少なくない。世論は良いものの後押しをすることもあるが,良いもの(or善いもの)を,(嫉妬心などから)引き下ろす(つぶしてしまう)こともけっこうよくある。それは世論の一番のぞましくない側面(いわゆる集団リンチ)であり,そういったものは無視したほうがよい。