そのための何らかの方法を講ずる前に,アインシュタイン博士はそのような計画をどう思うか知りたくて,手紙を書いた。彼は,熱意を込めた返事をくれたが,返事の手紙には,自分は健康があまりすぐれず,当面ほとんど関与することができず,共鳴してくれると自分が思う多様な科学者の名前をあげる以上のことは何も役に立つことはできそうもない,と書かれていた。それにもかかわらず,彼は,私の考えを実行にうつすこと,また私自身で声明(文)を作成してほしい,と懇願してきた。(そこで)私は,私のクリスマス放送「人類の危機(Man's Peril)」をもとにしてその声明(文)(ラッセル=アインシュタイン宣言)を作成した。
I had written to Einstein to learn what he thought of such a plan. He had replied with enthusiasm, but had said that, because he was not well and could hardly keep up with present commitments, he himself could do nothing to help beyond sending me the names of various scientists who, he thought, would be sympathetic. He had begged me, nevertheless, to carry out my idea and to formulate the statement myself. This I had done, basing the statement upon my Christmas broadcast, 'Man's Peril'.
出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 2: At home and abroad, 1969
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB32-190.HTM
<寸言>
ラッセルがアインシュタインに声明文のドラフトを送ったが,返事をもらわないうちに、アインシュタインは病いでなくなってしまった。アインシュタイン死亡をニュースで聞き,ラッセルは暗雲たる気分になったが,「(ラッセルが)パリのホテルに到着すると,署名に同意するというアインシュタインからの手紙が届いているのを発見」した。・・・。
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