現代の若者のほとんどは,巨大な組織の末端の地位から人生のスタートを切らざるをえない。彼の上司が経験豊かな学校の先生が持っている寛容の精神の持主であるのは稀であり,組織の中の「良い」子に昇進の道を与えがちである。・・・。人に従うことを覚えた人間は,自分の個人的創意を全部失うか,権力に対する怒りを燃やすに至り,破壊的で残忍な志向を身につけるに至る。
But nowadays almost every young man has to begin with a very subordinate post in some vast organisation. His superiors seldom have the tolerance of the experienced schoolmaster and are likely to give promotion to the 'good' boy. ... The man who has learnt to obey will either have lost all personal initiative or will have become so filled with rage against the authorities that his initiative will have become destructive and cruel.
出典: On being good (written in Nov. 18, 1931 and pub. in Mortals and Others, v.1, 1975
詳細情報:http://russell-j.com/BEING-G.HTM
<寸言>
どの分野においても,偉くなっていくと(=ポストがあがっていくと),相手を説得しなくても(説得する努力をしなくても)上下関係(権力)だけで自分の思ったことができるようになっていきます。そこから不幸な勘違いがおこり,世界が見えなくなり,「裸の王様」状態になりやすくなります。そのような事態に陥らないためには,権力をもっていてもできるだけ行使せず,できるだけ論理的に説得する習慣をしっかり身につけることが肝要となります。
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