メリット勲章(メリット勲位授与)で始まり,ノーベル賞(受賞)で終わった1950年という年は(注:メリット勲章を授与されたのは1949年6月/ここではメリット勲章授与の余波が1950年も続いたことを言っている。),私の社会的地位が最高点を記録した年(社会的に最も尊敬された年)であったように思われる。このことが,一般社会の考え方や慣行に盲目的に従うようになる始まり(正統主義の始まり)を意味することになるのではないかという恐れから,少し不安を感じはじめたことは事実である。私は,いつも,曲がったことをしないで社会的に尊敬される人間になることはできないという考えを抱いてきた。
1950, beginning with the OM and ending with the Nobel Prize, seems to have marked the apogee of my respectability. It is true that I began to feel slightly uneasy, fearing that this might mean the onset of blind orthodoxy. I have always held that no one can be respectable without being wicked, but ... .
出典:The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 1: Return to England, 1969]
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB31-240.HTM
<寸言>
ラッセルのこういった反省や危機感をもたない「お偉方」が多すぎる。
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