バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 知的には,1900年9月(ラッセル28歳の時)は私の生涯の最高の頂点であった。今遂に自分は,為す価値のある何ごとかを為し遂げたのだと自分に言い聞かせ,そうして,論文を書き下ろす前に通りで車にひかれないないよう注意しなければならないという感情をいだいた。

Intellectually, the month of September 1900 was the highest point of my life. I went about saying to myself that now at last I had done something worth doing, and I had the feeling that I must be careful not to be run over in the street before I had written it down. I sent a paper to Peano for his journal, embodying my new ideas.
 出典:The Autobiography of Bertrand Russell, v.1, chap. 6: Principia Mathematica, 1967
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB16-020.HTM

 <寸言>
 数学については、20代や30代前半に世界的な業績をあげる数学者が多い。ラッセルの場合も、1900年(28歳)の頃から、いろいろな分野で世界的な業績を上げ始めている。  ただし、ラッセルが言うように、知的(ラッセルの場合は、「論理的」)な側面において、最も創造的な時代であったということであり、社会との関係が重要な社会科学の分野については、中年時代以降に円熟さや幅の広さが増していく。
 その辺の区別を自覚しないと、能力のある若い人は、多くの年配者が馬鹿(おろか)に見え、良いアドバイスがないと大きな失敗をしてしまいやすい。もちろん、数学などの純理論的な分野については、他人や社会との関係で失敗するなんてことはないので、安心して突っ走れるけれども・・・。