かなり昔、多分古代ローマの愚かな人間が、「人の上に立つ人間はまず人に服従することを知らなければならない」と言っているが、真理はそのまったく逆である。人に従うことを覚えた人間は、個人的創意を全部失うか、あるいは,権力に対する怒りでいっぱいになり、破壊的かつ残忍な人間となる。
Some fool (=Aristoteles, long ago - probably a Roman - said that to know how to command, a man must first learn how to obey. This is the opposite of the truth. The man who has learnt to obey will either have lost all personal initiative or will have become so filled with rage against the authorities that his initiative will have become destructive and cruel.
出典: "On being good" in: Mortals and Others; Bertrand Russell's American Essays, 1931-1935, v.1
詳細情報:http://russell-j.com/BEING-G.HTM
<寸言>
権力(者)に従順な人間は、自分より力のない者に対しては必ず権力を振るう。
自尊心を持っている人間なら誰も誰かに服従したいとは思わない。にもかかわらず服従するのは,自分より権力を持っている人間に服従するかわりに、自分より弱い人間に対して権力を振るいためであろう。だから、そういった人間は、自分に従順な人間以外に対しては、「弱い者いじめ」をして埋め合わせをしているのである。
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