しかし、今日の若者のほとんどは、巨大な組織の末端の地位から職業人生を始めなければならない。彼の上司が経験豊かな学校の先生が持っている'寛容の精神の持主'であるのは稀であり、組織の中の「良い」子に昇進の道を与えがちである。
不幸なことに、'従順'という性質は、創意(イニシアティブ)と指導力を持った人間が持っていることは稀である。
But nowadays almost every young man has to begin with a very subordinate post in some vast organisation. His superiors seldom have the tolerance of the experienced schoolmaster and are likely to give promotion to the 'good' boy.
Unfortunately docility is not a quality which is often found in the man capable of initiative or leadership.
出典: "On being good" in: Mortals and Others; Bertrand Russell's American Essays, 1931-1935, v.1
詳細情報:http://russell-j.com/BEING-G.HTM
<寸言>
出る杭は打たれる。
若い人でも誰も疑い得ない実績をすでにあげている人であれば生意気な発言をしても「寛容」の目でみてもらえる。しかし,若者の大部分は,まだそのような実績をあげていない(あげられない)。
大人の方もどういった若者が潜在的な能力を持っているか,見抜く力をもっている人は多くない。
そこで,受け答えが清々しいか,あるいは上司や権力者の言うことに従う「良い子」が重用されるようになりやすい。特に各省庁の国家公務員などは・・・。