権力を握っている者は,古今東西,恐怖心に駆られている場合を除けば,権力を持たない人間の幸・不幸に無頓着です。これは耳ざわりなひどい言葉に響くかも知れません。上品な人々は限度を越えて他の人々に苦痛を与えないと言えるかも知れません。こう口で言うことはできても,現実はそうでないことを示しています。今問題になっている上品な人々は,自分たちが幸福に暮らすためにどんな苦痛を他人に与えているかを知らずに終わってしまったり,あるいは,知らないふりをするのに成功しています。
Holders of power, always and everywhere, are indifferent to the good or evil of those who have no power, except in so far as they are restrained by fear. This may sound too harsh a saying. It may be said that decent people will not inflict torture on others beyond a point. This may be said, but history shows that it is not true. The decent people in question succeed in not knowing, or pretending not to know, what torments are inflicted to make them happy.
出典::What is Democracy? 1953: Evils of Power
詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AXIOM-2006X2015.HTM#20150716
<寸言>
想像力や理解力が不足しているので,自分がよく理解できない人たち(弱者)に対して思いやりを持つことができない。表面的な理解しかできず,口では「国民のために」と言いながら、実際は「国民のために」ならない矛盾した政策を実行してもなんとも思わない。