バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 しかしまた、我々の本性そのもののゆえに避けがたい歪みをはっきり認めることも、また哲学者の義務である。そういう歪みのうち最も根本的なものほ、我々が世界をここと今(時空)の見地から見て、有神論者が神に帰するような広い公平さで見るのではない、ということである。そういう公平な見方に達することは我々には不可能であるが、それに向って一定の距離を旅することは我々にもできる。そしてこの目標へ向かっての道を示すことは,哲学者の最高の義務なのである。 
But it is also his duty to recognize such distortions as are inevitable from our very nature. Of these, the most fundamental is that we view the world from the point of view of the here and now, not with that large impartiality which theists attribute to the Deity. To achieve such impartiality is impossible for us, but we can travel a certain distance towards it. To show the road to this end is the supreme duty of the philosopher.
 出典:Bertrand Russell: My Philosphical Development, 1959.
 詳細情報:http://russell-j.com/cool/54T-1701.HTM

 <寸言>
 人間には(今とここ)に縛られるという宿命があるにしても、「(世界のより正しい理解や認識に向かって)一定の距離を旅することは我々人間にもできる。そしてこの目標へ向かっての道を示すことは,哲学者の最高の義務」であるというラッセルのいくらか控えめの態度こそ、哲学者のみならず、多くの学者や研究者が旨とすべき態度ではないだろうか?