バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 私は今でも、真理は事実へのある種の関係であり、事実は一般に非人間的なものである、と考えている。(また)私は今でも、人間が宇宙的にはとるに足りない存在であり、今とここ[時空)とによって歪められずに宇宙を公平に見渡すことのできる絶対的な存在者 -そういうものが存在するとしてー であるならば、おそらくは書物の終り近くにつける脚注以外では、人間のことにほとんど言及しないでであろう、と考える。しかし、私はもはや、人間的要素が存在する場所からそれらを追い払おうとは望まない。 

I still think that truth depends upon a relation to fact, and that facts in general are non-human; I still think that man is cosmically unimportant, and that a Being, if there were one, who could view the universe impartially, without the bias of here and now, would hardly mention man, except perhaps in a footnote near the end of the volume; but I no longer have the wish to thrust out human elements from regions where they belong.
 出典:Bertrand Russell: My Philosphical Development, 1959.
 詳細情報:http://russell-j.com/cool/54T-1701.HTM

 <寸言>
 ラッセルの哲学(基本的な考え方)は一貫しているとも、多くの変遷をしているとも、どちらとも言える。ラッセルは、生涯、理性や知性に信頼を起き続けたが、徹底的に論理を追求していく過程で、人間の知性や論理的思考能力の限界をも実感するようになった。
 ラッセルが嫌うのは,神秘主義に陥り、思考を停止したり、知性を軽んずることである。