バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 


 「国家」というのは抽象的なものです。国家は喜びも痛みも感じません。国家は希望も恐怖も持っていません。また,我々が国家の目的と考えているものは,実際は,国家を指揮する個人の目的です。抽象的にではなく,具体的にもの(国家)を考えるとき,「国家」の代わりに,大部分の人間以上に権力をもっている,ある一定の人々をわれわれは発見します。そうして,「国家」礼讃は,実際は少数支配者(支配階級)の礼讃であるということが明らかになります。

"The State" is an abstraction; it does not feel pleasure or pain, it has no hopes or fears, and what we think of as its purposes are really the purposes of individuals who direct it. When we think concretely, not abstractly, we find, in place of "the State," certain people who have more power than falls to the share of most men. And so glorification of "the State" turns out to be, in fact, glorification of a governing minority.
 出典:Authority and the Individual, 1949, chap. 6: Individual and Social Ethics.
 詳細情報:http://russell-j.com/cool/40T-0601.HTM

 <寸言>
「国民総活躍社会」の目的は? 原発を維持しなければならない理由は? 憲法に緊急事態条項を盛り込みたいという安倍政権の意図は? 天皇の退位を皇室典範に明確にいれたくない理由は? 「国民(全員)のため」には個々に国民の自己犠牲が必要ということであれば、国民は個々の人間からなっている以上,何らかのことに関しては少数者であるので結局は国民全体をしばることになる。