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牧野力(編/著)『ラッセル思想辞典』より

神の存在(証明法)

(From: Why I am not a Christian, 1927, chap.5.)
 カトリック教会は、教義として、神の存在が独自の理由で証明できると断定している。それは奇妙な教義だが、一時自由思想家が、理性を働かせれば神の存在を論破できると言ったことから、(カトリック教会は)神の存在の証明法を考えたのである。自由思想家も、信仰の問題として神の存在を扱っていたのである。
 カトリック教会は、自由思想家に対抗して、神の存在は他の助けを借りずに証明できると断言した。多くの(神の存在)証明法の中で、主なものは次の5つである。
  1. 第一原因による証明法
  2. 自然法則による証明法
  3. 神の意向による証明法
  4. 神のための道徳的証明法
  5. 不公平の償いとしての証明法
 私には、以上5つのどの証明法も、論理的に証明を成立させていないと考える。(挿絵:ラッセルの Nightmares of Eminent Persons,1954より)