バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 正しい(適切な)行為とは、価値(正の価値)の反価値(マイナスの価値)に対する差額を最大化するか、反価値の価値に対する差額を最小化する行為であり、その選択は可能な行為の中から行われる。

Right conduct is conduct which maximizes the balance of value over disvalue or minimizes the balance of disvalue over value, the choice being among acts that are possible.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 10:Is there ethical knowledge ?
More info.: https://russell-j.com/cool/47T-1101.htm

<寸言>
 以前一度でてきた表現ですが、誤解や誤訳をしやすい表現なので、もう一度引用して確認しておきたいと思います。
 ここで使われている「disvalue」を「無価値」や「軽視」と訳すと何を言っているかわからなくなってしまいます。論理学者であり、数学者であるラッセルらしく、「value」を「(正の)価値」、「disvalue」を「(負の)価値」(=「反価値」)として、「正しい(適切な)行為」とは、「反価値」に対して「価値」の差額(balance)を最大化すること(あるいは、「価値」に対して「反価値」の差額(balance)を最小化すること)だと言っています。
 絶対的価値というものを想定して、他のものを全て無視するような態度(狂信的な態度)は好ましくありません。「狂信的な」愛国主義も「〇〇絶対反対」論も、ラッセルが忌み嫌うものです。

#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell