バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


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 第二次世界大戦後、モンゴメリー(将軍)はドイツの親達に対し ーイギリス兵がドイツの子供達に微笑むことができないのはドイツの親達(自分達)が邪悪であるためだとー ドイツの子供達に説明するよう布告した。これはいずれの場合も(注:第一次大戦の場合も第二次大戦の場合も)、「罪」の教義を信じることによって助長される種類の、悪い心理学であり、悪い政治であった。私達は皆環境の産物であり、もしそれが隣人にとって不満足なものであれば、彼らにとっては私達を改善する方法を見つけることは宿命である。道徳的な非難がこの目的達成のため最善の方法であることはめったにない。

After the second world war Montgomery issued a proclamation telling German parents to explain to their children that British soldiers could not smile at them because of the wickedness of their fathers and mothers. This was, on both occasions, bad psychology and bad politics, of a sort that is encouraged by belief in the doctrine of “sin”. We are all what our circumstances have made us, and if that is unsatisfactory to our neighbours, it is for them to find ways of improving us. It is very seldom that moral reprobation is the best way of achieving this object.
Source: Bertrand Russell: Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 7:sin
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0714.htm

<寸言>
 めぐまれた環境にある人(あるいは国や国民)はめぐまれない環境にある人(あるいは国や国民)のことは、あまり気にかけません。そのようなめぐまれない環境が存続するのが、少しでもめぐまれた人(あるいは恵まれた国や国民)のせいであると思うようになれば、その環境(状況)を変えたくなる(改善したくなる)のは、めぐまれない人にとっては、自然のことです。
 先進国の人達は、「発展途上国」の安い労働力によって(一部は搾取によって)安い製品を購入することができます。しかし、経済格差や貧富の格差のおかげで恩恵を受ける人達が、「発展途上国」における搾取を知ろうとしなければ、(「発展途上国」の政治家や起業家には歓迎されても)、「発展途上国」の弱い立場にある人達の恨みを買うことになりがちです。

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