バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


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 子供が六歳になるまでには,道徳教育はほぼ完成していなければならない。即ち,後年必要になるであろうそれ以上の道徳的美点については,既得の良い習慣と,既に刺激を受けた野心の結果として,少年少女が自発的に伸ばしていくべきものである。その年齢以後に,道徳教育がいろいろと必要になるのは,幼年期の道徳教育がなおざりにされたか,あるいは,良くなかったかという場合のみである。

By the time the child is six years old, moral education ought to be nearly complete ; that is to say, the further virtues which will be required in later years ought to be developed by the boy or girl spontaneously, as a result of good habits already existing and ambitions already stimulated. It is only where early moral training has been neglected or badly given that much will be needed at later ages.
Source: Bertrand Russell: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 4: Fear.
More info.:https://russell-j.com/beginner/HA14-060.HTM

<寸言>
「道徳教育」というと、目上の人の言うことをよく聞くこととか、愛国心教育を思い浮かべてしまう人がいるかも知れませんが、ラッセルが言おうとしていることは、もちろん、そんなことではありません。ラッセルが言っているのは、他人を自分と同様に尊重するとか、規則正しい生活をして健康を増進するような生活習慣を身につけるとかいった、常識的な事柄です。
 決して、自分の考えをもたないうちに愛国心を植え付けようとか、権力や権威を持っている人を敬う心を植え付けようとかいうものではありません。
 しかし、親がいいかげんであれば、子供に立派な行いをさせようとしても、不可能ではなくても、非常に困難です。親のまずいところは公教育が補う必要がありますが、教育行政をやる人や人事を行うそういった人達を気にする教師が多ければ、子供は救われず、道徳的に問題がある大人が増えていってしまいます。

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