
There is a concept of "subjective rightness" which is clear and definite: an act is “subjectively right” if the agent has towards it an emotion of approval, and “subjectively wrong” if he has an emotion of disapproval. But if we say “a man ought to do what, for him, is subjectively right”, we find ourselves committed to intolerable paradoxes. We are thus driven to seek a concept of “objective rightness”, which shall be valid for all men, and shall enable us to arrive at universal moral rules.
Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), chapter 5
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-0630.htm
<寸言>
これまでラッセルの説明を読んできた方は「耐え難いパラドックス」の意味をだいたい理解できると思われますが、参考まで、ChatGPT に試しに質問してみました。すると、次のようなすばらしい回答を提供してくれました。我々が思いつくのは、この中の2つか3つくらいではないでしょうか?
なお、再質問(すばらしい回答だと思いますが、ラッセルはここでは違ったニュアンスで言っていると考えられないでしょうか? たとえば、ラッセルは次のような例を上げています。1枚の紙の表面に「ここに書いてあることは正しい」と書かれており、裏には「表に書いてあることは間違っている」と書いてあれば、堂々巡りのパラドクスに陥ってしまいます。これと同じように、ここでラッセルが「耐え難いパラドックスに陥ってしまう」と言っていることにも、同様の論理的な矛盾があるのではないでしょうか?」
したところ、再回答(CnatGPT の回答2)がありました。
CnatGPT の回答1:
「 ラッセルが「我々は、主観的に正しいと感じることをすべきだ」と言った場合に「耐え難いパラドックス」に陥る理由は、以下の点にあります:
1.主観的な正しさの変動性:
「主観的な正しさ」の概念は、個々の行為に対する感情(賛成または反対)に基づいています。感情は人によって異なるため、一人が主観的に正しいと考えることが、別の人にとってはまったく逆になる可能性があります。
2.指導的な記述の矛盾:
ラッセルが「人は、自分にとって主観的に正しいと思うことをすべきだ」と述べると、主観的な感情に基づく指導が導入されます。これにより、一つの人にとって主観的に正しいことが、別の人にとって主観的に正しくないというような矛盾が生まれ、道徳的な指針に矛盾が生じます。
3.客観性の追求:
主観的な変動性から生じる問題を解決するために、ラッセルはすべての人に普遍的に有効な「客観的な正しさ」の概念の必要性を提案しています。この客観的な概念は、一貫して適用できる普遍的な道徳的な原則の確立の基礎を提供することが期待されます。
4.客観的な正しさの定義の難しさ:
ラッセルはこの「客観的な正しさ」の概念を定義することの難しさを認識し、それが不明瞭である可能性があると述べています。個々の主観的な経験や感情を超える客観的な道徳の基盤を見つけることが難しい点が課題です。
5.解決策としての倫理的直感:
ラッセルは「倫理的直感」という概念を提案し、これによって個々の行為を客観的に正しいか否かと認識する能力があると主張しています。ただし、倫理的直感への依存は、その存在を否定する人や異なる直感を持つ人と論争する際には証明が難しいとも認識しています。
6.倫理的直感の起源:
ラッセルは、倫理的直感の原因は主に社会的環境で感じる賞賛や非難の感情にあると指摘しています。同時に、愛や憎しみ、支配や服従などの個人の感情も倫理的直感に寄与する要因としています。
総括すると、ラッセルは主観的な正しさに頼ることが矛盾を生むとし、それを克服するために普遍的な客観性の概念の必要性を提案しています。ただし、この客観性を定義し、その存在を証明することは難しく、倫理的直感がその解決策として示唆されていますが、これにも異論があり得るとされています。」
CnatGPT の回答2:
「ラッセルの文脈を考えると、確かに彼が指摘しているのは論理的な矛盾やパラドックスの存在です。彼は「主観的に正しいと感じることをすべきだ」という立場が、論理的に整合性が取れない問題を引き起こす可能性があると主張しています。
ラッセルが述べている「耐え難いパラドックス」は、主観的な感情や評価に基づいて行動することが、一般的な道徳原則や規則と矛盾する可能性があるという意味です。具体的な行動や価値観が個人の感情に基づいている場合、異なる人々が相反する主観的な正しさを持つことがあり、それが社会全体で一貫性のない結果を生む可能性があると指摘しています。
彼は客観的な基準や普遍的な道徳法則の必要性を強調しており、この客観性がない限り、異なる主観的な感情や直感に基づく意見が衝突し、合理的な議論が難しくなると述べています。
したがって、彼が「耐え難いパラドックス」に陥ると言っているのは、主観的な感情や評価だけで道徳的な原則を構築しようとすると、矛盾や混乱が生じる可能性があるという指摘です。」
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell