バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私達が置かれている世界は、これらの(前述の)可能性によって、大きな希望とぞっとするような恐怖とが等しく正当化される世界である(注:どちらも否定できないということ)。 恐怖(の方)は、きわめて一般的に感じられ、ものうい憂鬱な世界を生みだす傾向がある。希望(の方)は - 想像力と勇気とを必要とするので- 大部分の人々の心の中で、(恐怖ほど)生き生きとしたものではない。希望(を持つこと)はユートピア的であると思われるのは、ただ人々の心のなかで生き生きとしたものになってないだけである。ある種の精神的怠惰が前途で邪魔をしている。もし、それさえ克服できるならば、人類は新たな幸福を手に入れるだろう。

The world in which we find ourselves is one where great hopes and appalling fears are equally justified by the possibilities. The fears are very generally felt, and are tending to produce a world of listless gloom. The hopes, since they involve imagination and courage, are less vivid in most men's minds. It is only because they are not vivid that they seem utopian. Only a kind of mental laziness stands in the way. If this can be overcome, mankind has a new happiness within its grasp.
 Source: Bertrand Russell: Human Society in Ethics and Politics, (1954), introduction
More info.:https://russell-j.com/cool/47T-introduction-08.htm

<寸言>
 序論の最後の段落です。
 人類が平和で幸福に暮らしていくのに役立つ倫理学について、「精神的怠惰」に陥らず、これから、いろいろな側面から考察していこうという、希望を込めた宣言です。

#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell