バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 想像力が十分ある人にとっては、自分と異なるバイアス(偏り)を持つ人との議論を想像するのもよいことである。・・・。
 私はこの種の想像上の対話の結果として、実際に自分の考えを変えさせられたことも時々あった。そうして、そこまでいかなくても、仮想上の論敵が合理的である可能性を認識することによって、しだいにより独断的でなくなり、また過度な確信を持つことがより少なくなっていく自分に気づいたことがしばしばある。


For those who have enough psychological imagination, it is a good plan to imagine an argument with a person having a different bias. ... I have sometimes been led actually to change my mind as a result of this kind of imaginary dialogue, and, short of this, I have frequently found myself growing less dogmatic and cocksure through realizing the possible reasonableness of a hypothetical opponent.
Source: Outline of Intellectual Rubbish (1943)
Reprinted in: Unpopular Essays, 1950
More info.:https://russell-j.com/cool/UE_07-500.HTM

<寸言>
 人間は必然的にそれぞれのバイアス(偏り)をもっています。ラッセルが使っている「バイアス」という言葉を(自分はあまり偏見をもっていないが)「偏見をもっている人と議論する場合には・・・」ととると、それは早とちりであり、誤解です。
 自分にはそれほどバイアスや先入見(prejudices)はないと思っている人は少なくないですが、ラッセルはどうしてもバイアスや先入見・偏見を逃れることができないと自覚し、生涯に渡ってバイアス等を減らす努力をしました。
 ラッセルは、『私の哲学の発展』(1959年)のなかで、当初から持っていた特に重要な6つの先入見(prejudices)をあげており、おかげでラッセル哲学や思想の発展についてよく理解することができます。
https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_11-020.HTM

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