バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 哲学者として、私が純粋に哲学的な聴衆に向けて話すのであれば、私は自分自身を不可知論者であると表現しなけらばならないと言うべきです。なぜなら、神が存在しないことを証明する決定的な議論(論拠)は存在しないと思うからです。 一方、もし私が街頭にいる普通の人々に正しい印象を伝えたいのであれば、私は無神論者であると言うべきだと思います。なぜなら、神は存在しないことは証明できないと言う場合、私は、同様に、ホメロスの神々が存在しないことを証明することもできないと、付け加えるべきだからです。

As a philosopher, if I were speaking to a purely philosophic audience I should say that I ought to describe myself as an Agnostic, because I do not think that there is a conclusive argument by which one prove that there is not a God. On the other hand, if I am to convey the right impression to the ordinary man in the street I think that I ought to say that I am an Atheist, because, when I say that I cannot prove that there is not a God, I ought to add equally that I cannot prove that there are not the Homeric gods.
Source: Am I An Atheist Or An Agnostic? (1947)[, "Proof of God" Reprented in: Bertrand Russell on God and Religion, ed. by Al Seckel.(Buffalo, New York; Prometheus Books, 1986. 350 p.)
More info.: not available

<寸言>
 宗教や神を信じると言っている人に、何を実際に信じているのだろうかと思い、いろいろ質問すると、結局、その人が何を信じているのかわからない、という場合がよくあります。通常、宗教の教義は、他の宗教を邪教として排斥するものが多いので、いかなる宗教でも信じていない人より、信じている人のほうがましだと本心から思っている人はそれほど多そうに思えません。実際、キリスト教徒とイスラム教徒とはなかなか相互理解にいたりそうもありません。
 神を信じるという場合、一神教の場合は絶対神(全知全能)だったり、(この世界の)創造神だっだりします。多神教の場合は、素朴な自然宗教の場合が多く、一神教とはあまり融和しません。仮に、絶対神(全知全能)の神を認めた場合、どうして世界を創造したのか、また、なぜ「このような」世界を創造したのか、みんなが納得する説明をできる人はいません。
 人間は死んでも魂は生き続けると「素朴に」信じる人、あるいは(信じていると思えないが)そう言う人はいっぱいいます。しかし、その場合、魂の数は物理的に亡くなった人の数だけ存在しているのか、あるいは一つの全体としての魂が存在しているだけなのか、どちらでしょうか? それから、人類が発生する前は、人間の魂は存在していなかったのでしょうか? 存在していたが、人類が発生してから人間にとりついだのでしょうか? それとも人間の魂は輪廻によって様々な動物の間を移動しているのでしょうか? いや、地球上に生命が発生する前にも魂が存在していたでしょうか? 地球上の生命は他の惑星からやってきたという説もあります。それなら、この宇宙の誕生と同時に魂は存在したのでしょうか? キリスト教では、神が世界の創造を始めてから6日目にアダムを創造し、その肋骨からイブを造ったことになっています。
 いずれにせよ、宗教、神、魂(霊魂)を信じていると言う人が実際に何を信じているかを知ることは困難です。
 そう考えれば、ラッセルの発言がもっとも常識的であるように思われます。

楽天アフィリエイトの成果(ポイ ント)は本ホームページのメンテナンス費用にあてさせていただきます。ご協力よろしく お願いいたします!
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell