バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 ・・・。次に検討すべき戦争の種類は、自衛戦争である。この種の戦争はほとんど普遍的に正当化され、キリストとトルストイによってのみ非難され る。自衛戦争が正当化されるのは非常に都合がよいことであり、私の知る限り、自衛戦争でなかった戦争はまだ一度もない。

The next kind of war to be considered is the war of self-defence. This kind of war is almost universally admitted to be justifiable, and is condemned only by Christ and Tolstoy. The justification of wars of self-defence is very convenient, since so far as I know there has never yet been a war which was not one of self-defence.
Source: Justice in War Time, 1916
More info.: https://russell-j.com/cool/JinWT_1916.pdf

<寸言>
 自国の領土に他国の軍隊が来た時に自衛のために戦うのはほとんどの人が否定しませんが、多くの場合、自衛の名のもとに(敵の基地をたたかないといけないと)他国の領土に軍隊を送ります。自由主義国のアメリカも頻繁にやることです。
 ウクライナ東部へのロシア軍の侵攻について、ロシアは、ウクライナ東部の州のロシア系住民をウクライナのネオナチから守るためだと主張し、それを戦争の大義にしています(つまり、侵略ではなく、自衛のためだと主張しています。)多くの場合、「自衛のための戦争」というのは、自国に敵兵が攻め入ってきた時に、自衛のために反撃することですが、ロシアによるウクライナへの侵攻は、「自衛戦争の概念」を拡張したものです。
 因みに、ウクライナ東部のドネツク州におけるロシア系住民の割合は約38%とのことであり、南部のクリミア半島(クリミア自治共和国とセヴァストポリ市)の住民の約60%はロシア系とのことです。

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