バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 人々の欲望が非競争的になるような教育がなされない限り、世の中の安心安全(security)が確保されることはありえない。裕福になりたいと願えば、全員が裕福になることは想像できるが、隣人よりも裕福になりたいと願えば、それは全員にとって(論理的に)不可能である。

You cannot possibly get security in the world unless people are so educated that their desires will be non-competitive. If we desire to be rich, we could conceivably all be rich; but if your desire is to be richer than your neighbor, that is impossible for everybody.
Source: Is security increasing?; radio discussion with Albert G. Hart & W. H. C. Laves.
* The Univ. of Chicago Round Table, 15 Jan. 1939.(published as a pamphlet in 1939)
More info.: Not avalable

<寸言>
 他人を傷つけないで、世の中にないものを生みだすための競争であればよいことですが、限りあるもの(資源、地位、権力、その他)を奪い合う競争は、利益以上の弊害を生み出してしまいます。
 人間の欲望には限りはなく、昔に比べればかなり生活が改善されても、隣人(自分が親しい人)よりも自分(達)がかなり見劣りするということがわかれば、満足感は消え、多くの人が不幸な心理状態に陥ってしまいます。
 引用したような発言を、ラッセルはいろいろなところでしています。『ラッセル幸福論』を読んだことのある人なら次の記述を覚えておられると思います。
「それゆえ,人びとが生存競争という言葉で意味しているのは,実際は,成功のための競争にほかならない。この競争に参加しているとき,人びとが恐れているのは,明日の朝食にありつけないのではないか,ということではなくて,隣人に勝る(勝つ)>ことができないのではないか,ということである。」(What people mean, therefore, by the struggle for life is really the struggle for success. What people fear when they engage in the struggle is not that they will fail to get their breakfast next morning, but that they will fail to outshine their neighbours.)

 なかでも、最も有名なのは次の一節です。
 (この二種類の「もの」に対応して、二種類の衝動があります。即ち、共有しえない物を入手したり、保有したりしようとする「所有衝動」と、隠したりまたは私有する必要のないものをこの世の中にもたらしたいという「創造衝動」です。・・・そうして、)

 「最善の人生とは、創造的衝動が最大限に発揮され、所有衝動が最小限に現れる人生です。(The best life is the one in which the creative impulses play the largest part and the possessive imuplses the smallest.)」
More info.: https://russell-j.com/wp/archives/1698

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