バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 少しの余暇は楽しいが、もし仮に24時間のうち4時間しか仕事をしないとしたらどうやって一日を満たせばよいのかわからないだろう、と言われるだろう。これが現代世界で真実である限り、それは私達の文明を非難するもの(理由の一つ)である。それは以前のいかなる時代にも真実ではなかったであろう。昔は気楽さや遊びのための能力はあったが、効率至上主義によってそれらは一定程度抑制されてきた。現代人は、何事も他の何かのためになされるべきであり、決してそれ自身のためになされるべきでないと考えている。

It will be said that, while a little leisure is pleasant, men would not know how to fill their days if they had only four hours of work out of the twenty-four. In so far as this is true in the modern world, it is a condemnation of our civilization; it would not have been true at any earlier period. There was formerly a capacity for light-heartedness and play which has been to some extent inhibited by the cult of efficiency. The modern man thinks that everything ought to be done for the sake of something else, and never for its own sake.
Source: n Praise of Idleness, 1932
Reprinted in: In Praise of Idleness, and Other Essays, 1935,
More info.: https://russell-j.com/cool/IPI_1935.pdf

<寸言>
 エッセイ"In Praise of Idleness" (1932年発表)からの引用です。この一節は今でも世界中で頻繁に引用されています。

 科学技術の発達した現代においては、仮に世界中の人々に対し組織的に仕事を配分することができれば、一人が4時間働けば「理論的には」人類の大部分がそこそこの(まともな)生活をすることが可能であろう、とラッセルは何度も主張しました。Roads to Freedom (1918)年にも同じような発言がみられますが、それが最初でしょうか?(第一次世界大戦中の戦時経済下における英国経済及び国民生活の経験も、ラッセルの主張の裏付けになっているようです。) 
   もちろん、これは理論的には可能だと言っているのであり、実際は、特定の国々が資源を独占したり、頻繁に戦争をしたりして、経済格差は縮まらないどころか拡大さえしています。そうして、富は偏在し、毎日過酷な労働をしても貧しいままの人達が非常に多く存在しています。
 また、たとえば、日本は一人あたりの生産性が低いから経済成長率が低く、社会福祉にあてる予算も潤沢にならないと、政財界の要人は主張します。貧富の格差を埋められない理由に悪用しているようにも思われます。
(添付画像: 電通「あかりさんの自殺」;貧富の格差 世界の富の40%を米国の富豪の・・・ Bertrand Russell 4 hours labour work?)

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