ラッセル英単語・熟語1500 |
「これは赤い」と「これは赤くない」はともに(同時に)真であることはできない」と言ってはならない。 なぜなら、我々は(今)「でない(否定)」を消去する問題に取り組んでいるからである。我々は、「『これは赤いという信念と、これは赤いという(主張に対する)不信はともに真である』という文に対する不信は、常に真である」と言わなければならない。 このようにして、我々は「でない(否定)」と「虚偽」を「不信」と「不信が真」によって置き換えることができるように思われる。 この場合には、我々は、「でない」と「虚偽」を次の定義によって再び持ち込んだのである。即ち、「これは青ではない」という言葉は、「これは青い」という言葉によって表現されるものに対する不信を表現するものとして定義されます。 このようにすれば、「でない」を事実の定義不能な成分とする必要はさけられる。
We must not say, " 'This is red' and 'This is not red' cannot both be true," since we are concerned to eliminate "not." We must say, "A disbelief in the sentence 'The belief that this is red and the disbelief that this is red are both true' is always true." It seems that in this way we can replace "not" and "falsehood" by "disbelief" and "the truth of a disbelief." We then reintroduce "not" and "falsehood" by definitions: the words "This is not blue" are defined as expressing disbelief in what is expressed by the words "This is blue." In this way the need of "not" as an indefinable constituent of facts is avoided.
Source: Human Knowledge, 1948.
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<寸言>
少しニュアンスが違いますが、皆さんご記憶と思いますが、安倍元総理(故人)が国会答弁で得意がって述べた「悪魔の証明」というのがあります。それはだいたい以下のようなものだったと記憶しています。
森友事件で野党(辻本議員?)から「籠池氏に100万円寄付していないことを証明しろ」と追求された時、安倍総理(当時)は得意がって「お金を渡していないことなど証明などできない。それは"悪魔の証明"だ!」とやり返しました。つまり、証拠を見つけることができれば「ここに証拠がある」と言って証明することが可能ですが、「渡していないこと」は「ここに渡してない証拠がある」と言って証明することはできません。安倍氏が論理学を勉強したり興味を持ったりしたことはないでしょうから、側近の誰かから「こういった反論するといいですよ(相手の教養の無さを白日の下に晒せますよ)」と教えてもらったのだろうとう推察されます。
因みに、安倍総理は -森友事件よりも前のことですが- 国会答弁で「イラク戦争は大量破壊兵器(核兵器)が無いと証明出来なかったイラクが悪いという事は申し上げておきたいと思います」と"悪魔の証明"を持ち出してイラクに戦争責任を押し付け、天につばを吐いています。
安倍氏は過去の自分の発言との矛盾に気が付かなかったのでしょうか? 国会で118回の虚偽答弁をしても平気だったのですから、自分の発言の矛盾は気にしなかったと思われます。そんな嘘つきでも総理大臣を8年以上続けられて国葬になったのですから、日本国民はとても寛容な国民のようです。
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