バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 モスクワに到着してすぐに、私はレーニンと英語で1時間会話をした。彼はかなり上手に英語をしゃべるので、通訳が同席していたが、通訳の必要はほとんどなかった。・・・。私は彼のように尊大ぶった様子のない人物に会ったことはなかった。・・・。当初、彼の笑いは単に友好的かつ愉快に思われた。しかし、徐々に、不気味に思えてきた。彼は独裁的で、冷静で、恐れを知らず、驚くほど自己顕示欲がなく、理論の権化であるように思われた。・・・。

Soon after my arrival in Moscow I had an hour's conversation with Lenin in English, which he speaks fairly well. An interpreter was present, but his services were scarcely required. ... I have never met a personage so destitute of self-importance. ... at first his laugh seems merely friendly and jolly, but gradually I came to feel it rather grim. He is dictatorial, calm, incapable of fear, extraordinarily devoid of self-seeking, an embodied theory.  Source: Bertrand Russell : The Practice and Theory of Bolshevism, 1920
 More info.: https://russell-j.com/beginner/lenin-russell_taiwa.htm

<寸言>
 引用文は、ラッセルが1920年に出版した The Practice and Theory of Bolshevism(『ロシア共産主義(の理論と実践)』)の一節です。日本でも原著が出された翌年(1921年)に早くも邦訳がだされています。現在でも、みすず書房から出された河合秀和(訳)をアマゾンなどで入手できます。
 ラッセルは1920年5月12日~6月17日まで、英国労働党の代表団の一員(オブザーバー)に加えてもらい、希望を抱いてロシア各地を訪問しました。しかし、革命後のロシアの現実に幻滅してしまいました。
 本書は、ロシア共産主義の理論とその実践(革命直後のロシアの現実)について率直に報告し論じたもので、出版後、日本を含め世界中で論争が起きました。

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