バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 芸術や科学,それから(公共の秩序に反しない限り)政党政治のように,画一性(画一化)が必要でもないし望ましくさえない,若干の領域がある。そのような領域は,競争することが正当である領域であり,公衆の感情はそのような事柄(問題)についての意見の相違には激高することなく我慢する(耐える)ようなものでなければならない,ということが重要である。民主主義が成功し持続するためには,寛容の精神や憎悪が過剰でないことや暴力を愛する気持が多すぎないことが必要である。しかし,このことは,権力を手懐けるための心理的な条件に我々を導く(心理的な条件について考えなければならない)。

There are certain regions, such as art and science, and (so far as public order allows) party politics, where uniformity is not necessary or even desirable. These are the legitimate sphere of competition, and it is important that public feeling should be such as to bear differences on such matters without exasperation. Democracy, if it is to succeed and endure, demands a tolerant spirit, not too much hate, and not too much love of violence. But this brings us to the psychological conditions for the taming of power.
 Source: Bertrand Russell : Power, a new social analysis, 1938
 More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER18_260.HTM

<寸言>
 「民主主義」を守ると多くの人が言いますが、形式的な「民主主義」ではなく、真の「民主主義」を実現するためには、どのような条件(心理的条件も含む)が必要か、よく検討する必要があります。
 現在、多くの「民主主義」国で行われている「民主主義」は、多くの場合、残念ながら"手続き上の"民主主義に陥っています。反対党の意見も真摯に取り入れ、十分議論をした上で最後は多数決で決めるというのであれば、その結論には皆従わなければなりません。しかし実際は、与党が圧倒的な勢力持っている場合には、与党の実力者が相談していつまでに国会で議決するか、また、野党の抵抗が強い法案の場合には、最低限譲る部分を決め、後は強行採決を行い、「多数決は民主主義の原理だ」「十分議論は行った」といって抗議は聞き流すだけとなります。
 なお、「多数者(多数派)による専制(Tyrany of the Majority)は『自由論』で有名な J. S. Mill (ラッセルの名付け親)の言葉です。

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