ラッセル英単語・熟語1500 |
熱狂的な政党は全て神話の繭(まゆ)をつむぎ,政党の精神はその中で太平の眠りをむさぼる。情熱は余りにもしばしば知性を殺してしまう。反対に,知識人においては知性が情熱を殺すことも少なくない。私の目的はこういう二つの不幸を避けることにある。情熱的な感情は破壊的でないかぎり望ましいものである。知性も同じような条件づきで望ましいものである。
Every vehement political party generates a cocoon of myth, within which its mentality peacefully slumbers. Passion too often kills intellect ; in intellectuals, on the contrary, intellect not infrequently kills passion. My aim would be to avoid both these misfortunes. Passionate feeling is desirable, provided it is not destructive ; intellect is desirable, with the same proviso.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926
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<寸言>
「知性と情熱」を共存させることは言うは易く行うは難しといったところでしょうか? 特に、政治の世界では難しそうです。政治家は、選挙演説においては、同じセリフを繰り返し、選挙民の情緒に訴えかけるばかりで、理路整然と説いて有権者の理性や知性に訴えかけようとする政治家はほとんどいません。与党にとって野党が分裂してくれたほうがありがたいところですが、お山の大将になりたい野党の指導者(の一部)はそれに大いに貢献しています。
漱石も『草枕』のなかで、「 智に働けば角が立つ情に棹させば流される意地を通せば窮屈だとかくに、人の世は住みにくい」と嘆き?ました。
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