ラッセル英単語・熟語1500 |
権力は行政官に属している。行政官は子供の生活を管理するが,彼らが(実際に)子供たちを見ることは決してない。そして,行政官タイプであるから(なぜなら,そうでなければ,現在占めている地位を獲得しなかっただろうから),恐らく,人間というものをそれ自体を目的としてではなく,ある種の建造物の材料として,特に見がちである。そのうえ,行政官はきまって画一性が好きである。画一性は,統計や分類整理に便利であるし,それがもし「正しい」種類の画一性であるなら,行政官が望ましいと考える種類の人間が多数存在することを意味する。
The power belongs to administrators. The administrators never see the children whose lives they control, and being of an administrative type (since otherwise they would not have obtained the posts they occupy), they are probably peculiarly apt to regard human being, not as ends in themselves, but as material for some kind of construction. Moreover, the administrator invariably likes uniformity. It is convenient for statistics and pigeon-holing, and if it is the "right" sort of uniformity it means the existence of a large number of human beings of the sort that he considers desirable.
Source: Marriage and Morals, 1929
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<寸言>
行政官は「出世=命」「保身=命」の人が多く、ヒラメのように目が上についていて、どうしても上ばかり見がちです。上に気に入られたいために個性を殺すことが多く、規則にあまり従わない個性的な部下や同僚が嫌いです。それが上司の場合は、「個性は大事にしないといけませんね」と白々しいおべんちゃら?をいったりすることもあります・・・というのが、世間の行政官(お役人、高級官僚)に対する印象でしょうか?
偉くなると(高い地位につくと)心が広い人のように見えることがあります。しかしそれは、高い地位につくことによって「その余裕」ができたのであり、その地位につくまでの間、「嫌な人間」を演じてきた人が少なくなさそうです。
もちろん、官僚や役人にも好ましいタイプの人が多いだろうと思われますが、自分の身があぶなくなると「佐川」化(元財務相)してしまう人が少なくないので、「梯子をはずされないよう」用心する必要があります。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell