バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 一つの習慣として,不誠実(不正直)であることは,ほとんど常にといってよいほど,恐怖心が生み出したものである。恐怖心なしに育てられた子供は,正直であるだろうが,それは,道徳的に努力しているからではなく,誠実(正直)である以外の考えが頭に浮かんでこないだけのことであろう。賢明に,かつ親切に取り扱われてきた子供は,卒直なまなざしをしており,知らない人に対しても,ものおじしない態度をとる。一方,うるさく小言を言われたり,厳格な扱いをされたりしてきた子供は,叱られはしないかと絶えず恐れており,自然にふるまったときには,いつも,何かルールに違反したのではないかとおびえている。嘘をついてもよいという考えは、幼い子供には,最初は浮かんでこない。嘘をつくことができるというのは,一つの発見であり,それは,恐怖にかられておとなの顔色を窺うことから生じるものである。

Untruthfulness, as a practice, is almost always a product of fear. The child brought up without fear will be truthful, not in virtue of a moral effort, but because it will never occur to him to be otherwise. The child who has been treated wisely and kindly has a frank look in the eyes, and a fearless demeanour even with strangers; whereas the child that has been subject to nagging or severity is in perpetual terror of incurring reproof, and terrified of having transgressed some rule whenever he has behaved in a natural manner. It does not at first occur to a young child that it is possible to lie. The possibility of lying is a discovery, due to observation of grown-ups quickened by terror.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926
 More info.: https://russell-j.com/beginner/OE08-020.HTM

<寸言>
 政治家に嘘つきが多いのは子供時代の家庭での教育や躾も影響しているのでしょうか?
 たぶん、親が政治家である場合、つまり二世、三世の世襲議員の場合、(政治家である)親や祖父が嘘をいっぱいついているのを目撃し、「ああ、政治の世界では嘘は方便なんだ」と学習した人が多いのではないでしょうか? 国家機密は非公開の期間がすぎれば関係文書の多くが公開され、政府首脳が国民に嘘をついていたことが度々明らかになりますが、公開された時には当該政治家は亡くなっているか、政界を引退しています。従って、平気で嘘をつけるということのようです。国民も過去のことはあまり気にしませんから・・・。

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