ラッセル英単語・熟語1500 |
私は,カント以来,哲学において一般的であるプロセス(手続き)を逆にする。(即ち)これまで,哲学者達の間では,如何にして我々(人間)は(ものごとを)知るかから始め、その何を知るかに進む、というのが一般的であった(注:how から what へ)。私はこれは誤まりであると考える。なぜなら、如何に知るかを知ることは、何を知るかを知ることのひとつの小さな部分(注:部分集合)にすぎないからである。
I reverse the process which has been common in philosophy since Kant. It has been common among philosophers to begin with how we know and proceed afterwards to what we know. I think this a mistake, because knowing how we know is one small department of knowing what we know.
Source: My Philosophical Development, 1959
More info.: https://russell-j.com/beginner/BR_MPD_02-010.HTM
<寸言>
この部分は、2019年10月にも引用していました(今気づきました)。添付画像や寸言を変えて再掲します。
哲学は科学がまだ扱っていない(あるいは扱うことが難しい)根源的な問題について探求することに価値があります。その意味では(科学がうまく扱えるかどうか判断するためには)、科学に対する相応の知識や理解が必要となります。そうでなければ、どのような理論的思考も科学によって凌駕されてしまいます。いや、凌駕されていることに気づかず、"深淵な"(と自分だけが思う)堂々巡りの(成果の乏しい)「思索」に陥ってしまう危険性があります。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell