バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 その2つの噂というのは,私宛の手紙や文書が,私を煩わすことのないようにという配慮で,秘書達が私に渡さずに保留しているという噂と,私に会いたいと思う人々を私の秘書や同志達が私に会わさせいようにしているという噂である。しかし,私の自宅宛の手紙は私自身が全て開封し読んでいる。けれども,私宛の郵便はあまりにも多いので,私自身がその全部に返事を書くというわけにはいかない。ただし,私は書いてやりたいことを秘書に指示したり,秘書が書いた返事の草稿を発信する前に読んで確認している。

They (= two other rumours) are that letters and documents sent to me are withheld by my secretaries lest they trouble me, and that my secretaries and colleagues prevent people who wish to see me from doing so. But I myself open and read all that is addressed to me at home. My mail, however, is so large that I cannot reply to everything, though I indicate to my secretary what I wish said and read the replies drafted by my secretary before they are sent.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB34-180.HTM

<寸言>
 ラッセルの『西洋哲学史』の第11章「ソクラテス」のなかで、次のように言っています。クセノフォンの代わりに気に入らない人物の名前やメディアを挿入してみてください。

「クセノフォンは真実でないことを考えだすほど知恵を持っていないので,クセノフォンが言ったこと(書いたこと)は全て真実に違いないと考える傾向があった。これはまったく説得力のない論拠である。賢い人間が言ったことを愚かな人間が伝えると(とき),正確であったためしがない。なぜなら,愚かな人間は,自分が聞いたことを自分が理解できる内容(もの)に無意識に翻訳(誤変換)してしまうからである。(私の意見が伝えられる場合には)私は哲学に無知な友人によってではなく,むしろ哲学者の中で私を最も厳しく批判する人によって伝えてもらいたい。それゆえ,クセノフォンの言うことが、哲学上の難しい点に関係しているか,あるいは、ソクラテスは不当に断罪されたということを証明しようとする議論の一部である場合には,我々はその証言を受け入れることはできない。」

 
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