バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


ラッセル英単語・熟語1500
 ・・。もう一つの,失望を抱かせたテレビ関係の出来事は,ルーズヴェルト夫人(米国大統領夫人),ブースビー卿,ゲイッケル氏(英国労働党党首)と私の4人で,核問題に関して論じあった,BBCの番組(注:Prospects of Mankind 視聴←ダウンロードに少し時間がかかります!)であった。ルーズヴェルト夫人は,'共産主義に屈服するよりは人類を破滅させた方がましであり,彼女自身その方を好む'という信条を述べたが,それを聞いて私はぞっとした。私は正確に聞き取らなかったのかもしれないと思いつつスタジオを去った。しかし,翌朝の新聞で彼女の言ったことを読み,彼女が実際にこの危険な見方を述べたという事実に直面せざるを得なかった。

Another disappointing TV occasion was a BBC discussion of nuclear matters by Mrs Roosevelt, Lord Boothby, Mr Gaitskell, and myself. I was horrified to hear Mrs Roosevelt enunciate the belief that it would be better, and that she would prefer, to have the human race destroyed than to have it succumb to Communism. I came away thinking that I could not have heard aright. Upon reading her remarks in the next morning's papers I had to face that fact that she really had expressed this dangerous view.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB33-110.HTM

<寸言>
 権力のない(持たない)一般市民が何を思おうが、何を主張しようがかまわない(無視してよい)が、権力を持っていたり、権力者に影響を与えられる公人はそういうわけにはいかない(何を公言してもよいというわけにはいかない)。
 彼らと同じ信条を持たない(共産主義は嫌いでも、共産主義に屈服するなら人類は滅亡したほうがよいとは思わない)人々までが彼ら(権力者)の信条の犠牲にならなければならないいわれはない。
 ルーズベルト大統領夫人は独善的ではないか?(他の国民をあの世に道連れにする/できる権利はないのではないか?)

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