バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 最も優れた技術者も良き市民でなければならない。また,私が「市民」と言う時,それは世界の市民を意味しているのであり,あれこれの宗派や国家の市民を意味しているのではない。知識や技能(技術)が増加するにつれて知恵はますます必要となる。というのは,そのような知識や技術における増大は我々の目的を実現する能力を増し,それゆえ,我々の目的が賢くないものであるならば悪に対する力(悪をなす能力)を増すからである。世界は現在、これまで決して必要とされてこなかった知恵を必要としている。即ち,知識が増大し続けるならば,世界は将来において,現在以上に知恵を必要とするであろう。

Even the best technicians should also be good citizens; and when I say 'citizens', I mean citizens of the world and not of this or that sect or nation. With every increase of knowledge and skill, wisdom becomes more necessary, for every such increase augments our capacity of realizing our purposes, and therefore augments our capacity for evil, if our purposes are unwise. The world needs wisdom as it has never needed it before; and if knowledge continues to increase, the world will need wisdom in the future even more than it does now.
 Source: Bertrand Russell : Knowledge and Wisdom (1954)
 More info.: https://russell-j.com/beginner/1073_KW-060.HTM

<寸言>
 良き国民と良き(世界)市民とはかなり隔たりがあります。現在では「世界」市民というより、「地球」市民という言い方のほうがしっくりくるでしょうか?
 各国が自国がかかわる場面では客観的な歴史を子供を教えようとするよりも、愛国心を醸成するようなやり方で教育がなされています。郷土愛を醸成するのであればよいですが、国を愛する感性の醸成はそれとはかなり異なっています。
 抽象的かつ狭量な愛国心から多くの人間が解放されるのはいつのことでしょうか?
 
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