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(ベルリンの破壊よりも)いっそう弁解できない,同国人(英国人)によるドレスデンの完全破壊を熟視し,私は胸が悪くなった。私は,ドイツが明らかに降伏しようとしていたのであるからそれで十分だと思うとともに,135,000人のドイツ人(注:ドレスデン市民)を殺すだけでなく,ドイツ人の住居全てと無数の財産を破壊することは野蛮行為であると思った。
Contemplation of the less accountable razing of Dresden by my own countrymen sickened me. I felt that when the Germans were obviously about to surrender that was enough, and that to destroy not only 135,000 Germans but also all their houses and countless treasures was barbarous.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB31-070.HTM
<寸言>
日本の戦国時代においても、戦さ(いくさ)で勝利した後、敵側の一族郎党を根絶やしにすることがよくあり、信長の残酷さはよく紹介されます。それにもかかわらず信長の人気は高いですが、それは自分を信長の立場に置くからであり、自分は信長によって殺害された子孫の一人であることがわかればとうていそのような感情は持てないでしょう。
勝利した側の残酷性は負けた側の子孫が復讐するのを恐れてのことでしょうが、そういった人間の野蛮性は古今東西に見られます。
勝利した側の傲慢さは自らも同じような仕打ちを受けない限りなくならないのでしょうか?
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