ラッセル関係電子書籍一覧 |
コーンウォールの海岸の美しさは,私の記憶の中で,2人の健康で幸せな我が子が,海や岩石や太陽や嵐を体験する喜びを学んでいるのを見守る恍惚感と切り離すことはできず混じりあっている。私は,大部分の父親が可能である以上の時間を子供たちと一緒に過ごした。私たちは一年のうち6ヶ月間をコーンウォールで過ごしたが,その間私たちは,きちんと決まったしかも余裕のある日課をつくった。朝のうちは,私と妻は仕事をし,その間子供たちは乳母に,後には婦人家庭教師に,見てもらった。昼食後は,家族全員で,自宅から徒歩でいけるところにある多くの砂浜のうちのどれかに行った。子供たちは,裸で遊び,気の向くまま,海水浴をしたり,岩山を登ったり,砂の城をつくったりした。もちろん,私と妻も仲間に加わった。私たちは非常にお腹をすかし,お茶の時間としては遅い時間に家にもどり,大量にお茶を飲んだ。それから子供たちを昼寝させ,大人の方はおとなとしての仕事に戻った。
The beauty of the Cornish coast is inextricably mixed in my memories with the ecstasy of watching two healthy happy children learning the joys of sea and rocks and sun and storm. I spent a great deal more time with them than is possible for most fathers. During the six months of the year we spent in Cornwall we had a fixed and leisurely routine. During the morning my wife and I worked while the children were in the care of a nurse, and later a governess. After lunch we all went to one or other of the many beaches that were within a walk of our house. The children played naked, bathing or climbing or making sand castles as the spirit moved them, and we, of course, shared in these activities. We came home very hungry to a very late and a very large tea; then the children were put to bed and the adults reverted to their grown-up pursuits.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB24-020.HTM
<寸言>
ラッセルにとって、人生で一番幸せな「牧歌的な日々」だったと思われます。
幼児の時に両親が亡くなり、愛情はあるが厳しい祖母によって育てられたラッセル。ラッセルは、自分は幸せな一生を送ることは無理だろうと思っていましたが、ドーラとの間に二人の子供が生まれて、初めて「家庭的な」幸せをつかむことができました。
5歳年上の初婚相手のアリスとは、結婚後5,6年は幸せな暮しをしましたが、しだいにうまくいかなくなり、長い別居の後に離婚しました。
再婚相手のドーラ(ラッセルより22歳年下)は結婚する前から、子供は母親のもの(父親には全く権利はない)と主張する「進んだ」女性でしたが、それでも結婚し、最初の子供がうまれてから7,8年間は幸せな日々を送ることができました。
結婚の当初から予想できたことだと言えばそう言うことも可能ですが、その後、ラッセルはまた波乱万丈の人生を送ることになります。・・・(続く)
ラッセル関係電子書籍一覧
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell