バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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  その頃はまだアメリカは,中立を保っていたが,私はウィルソン米国大統領に公開書簡を送って,世界を救ってほしいと訴えた。・・・その書簡に,私は以下のように書いた。
「・・・しかし,あらゆるところで,平和を擁護することは兵士達への裏切り行為だとして,はげしく非難されます。あらゆる人々のなかで,兵士達はとりわけ平和を望んでいるのにもかかわらずです。平和の友はいたるところで「亡くなった勇者達」(注:日本では「英霊」) が'無駄に血を流した'ということであってはならない」という悪魔的な議論に遭遇します。・・・ヨーロッパで権力を持っている全ての者が,それぞれ国益のためであると誤って信じている事を代弁している間は,私は絶大なる確信をもって,ヨーロッパの名において,全ての国民を代弁して発言せざるを得ません。私は,あなたが平和を我々にもたらしてくれるよう,ヨーロッパの名において,あなたに訴えます。」


America being still neutral, I wrote an open letter to President Wilson, appealing to him to save the world. In this letter I said:
「yet everywhere, advocacy of peace is rebuked as treachery to the soldiers, though the soldiers above all men desire peace. Everywhere, friends of peace are met with the diabolical argument that the brave men who have died must not have shed their blood in vain. ...While all who have power in Europe speak for what they falsely believe to be the interests of their separate nations, I am compelled by a profound conviction to speak for all the nations in the name of Europe. In the name of Europe I appeal to you to bring us peace.」
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
 More info.:https://russell-j.com/beginner/AB21-220.HTM

<寸言>
 戦争反対をさけんでいた者もいったん戦争が始まると大部分、戦争に協力するようになってしまう。
 「戦争に反対し、もし祖国が戦争に負けたらどんなことになるかわかっているのか? 祖国のために戦場にいっている兵隊さんのことを感がたことがあるか?反対するあなたは祖国のために何か貢献しているのか、あなたは非国民だ!」などと言われ、いつの間にか、発言しなくなり、戦争に協力するようになっていく。

 それでも反対する者は、ラッセルのように、刑務所行きとなる。ラッセルの場合は英国を代表する貴族の子弟なので比較的牢獄生活も大変なことはなかったが、一介の市民であればそのようなことはなく、日本においては獄死した知識人もけっこういた。
 戦争が勝利に終わる場合と敗戦の場合とでは、国民の態度はまったく異なる。
 アメリカのように(ベトナム戦争以外)負けた(敗けた)ことのない国民は自信過剰となり、帝国主義的となる一方、日本は・・・。
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