バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 1915年の夏,私は『社会再建の原理』という書名の本を・・・を執筆した。・・・  その本の中に,私は,人間生活の形成において,意識的な目的よりも衝動の方がより影響力をもつという信条に基づいた'政治哲学'を提示した。私は,衝動を,所有的衝動と創造的衝動の,2つのグループに分け,'最善の生活'は大部分創造的衝動の上に築かれると考えた。
 私は,当初,この本を講演用として書いたが,後になって出版した。驚いたことに,たちどころに成功をおさめた。私は,読まれるだろうという期待はまったくなしで,ただ信条の告白として,本書を執筆した。しかし,この本は,私に大金をもたらし,その後の私の所得の基礎をおいた。


During the summer of 1915 I wrote Principles of Social Reconstruction ... In it I suggested a philosophy of politics based upon the belief that impulse has more effect than conscious purpose in moulding men's lives. I divided impulses into two groups, the possessive and the creative, considering the best life that which is most built on creative impulses. ... I first gave the book as lectures, and then published it. To my surprise, it had an immediate success. I had written it with no expectation of its being read, merely as a profession of faith, but it brought me in a great deal of money, and laid the foundation for all my future earnings.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB21-090.HTM

<寸言>
 ラッセルは、それまで一般向けの本としては『哲学の諸問題』(邦訳書名は『哲学入門』)しか出しておらず、それは大学生や哲学に興味を持っている人向けの本でした。
 1916年始めにロンドンのカクストン・ホールで講演し、翌年の1916年に出版した『社会再建の原理』(Principles of Social Reconstrauction は一般社会人向けの最初の本でした。学生向けの本はたいしてお金になりませんが、現代でもお金を持っている一般社会人向けの本は、執筆の努力があまりなくても、ヒットすれば大金を稼ぐことができます。現代でも事情は同じです。ベストセラーは、余り高度な内容ではなく、執筆に1年以上かからないものが大部分です。執筆に時間をかけ、内容がよくても学術的なものはあまり売れません。しかし、そういったものは「世間的な評価」はあまり高くはありません。皮肉なものです。
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