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知識人というものはしばしば真理を愛するものと想像していたが,人気よりも真理の方を選ぶものはその一割にも満たないことがわかった。・・・私は(戦争で)虐殺される若い人達に対し,絶望的な思いやり(助けてあげたいが何もしてあげられないという思い)で一杯になり,また,ヨーロッパの全政治家たちに対する激しい怒りで満たされた。数週間私は,もしもアスキス(首相)やグレイ卿()外務大臣に偶然に出会ったら,殺したい衝動を抑えることはできないだろうと思った。
I had supposed that intellectuals frequently loved truth, but I found here again that not ten per cent of them prefer truth to popularity. ... I became filled with despairing tenderness towards the young men who were to be slaughtered, and with rage against all the statesmen of Europe. For several weeks I felt that if I should happen to meet Asquith or Grey I should be unable to refrain from murder.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB21-040.HTM
<寸言>
知識をいっぱいもっているのが知識人ではない。どんなに世間的に人気がない思想でも、正しいと思ったらそれを主張するのが知識人であるはずだ。ところが、ひとたび戦争が始まるや、世間から非難されるのを恐れ、よくないと思っても戦争に協力した「知識人」がいかに多いことか? 政府を批判することによって睨まれるのを怖かったり嫌がったりする「知識人」がいかに多いことか。これは戦時においてだけでなく、平時においても、政府が横暴なことをしても知らん顔する「知識人」がいかに多いかを知ればよく理解できる。
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