バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 現代の親は,我が子が親の前でも親がいないときと同様にのびのびしていて欲しいと願っている。即ち,親が子どもの方にやってくるのを見たら子どもに喜んで欲しいと親は望んでいる.親が子供を監視している時には安息日のよぅな静けさを装い,背を向けるやいなや伏魔殿(のような大騒ぎ)になることを望んではいない。親にとって子供の真の愛情を勝ち得ることは人生から与えられるいかなる喜びにもまして大きな喜びである。私達の祖父はこの喜びを知らなかった。そしてそのためにその喜びを逃してしまっていることを知らなかった。彼らは子供に親を愛するのは子供の「義務」であると教え,さらに進んでこの義務を果たすことをほとんど不可能にしてしまった。

The modern parent wants his children to be as unconstrained in his presence as in his absence ; he wants them to feel pleasure when they see him coming ; he does not want a fictitious Sabbath calm while he is watching, succeeded by pandemonium as soon as he turns his back. To win the genuine affection of children is a joy as great as any that life has to offer. Our grandfathers did not know of this joy, and therefore did not know that they were missing it. They taught children that it was their "duty" to love their parents, and proceeded to make this duty almost impossible of performance.
 Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
More info.:https://russell-j.com/beginner/OE09-090.HTM

<寸言>
 本書の出版は1926年なので、ラッセル(1872年生まれ)が言う「私達の祖父」というのは1800年代の初期の頃(日本で言えば幕末)の頃ですが、日本では明治時代から戦前までの親と言ったらよいでしょうか? しかし、日本においては、現代においてもかなりの親にあてはまると言えるかも知れません。
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