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良心と呼ばれるもの,即ち,子供の頃に学んだ道徳的な教えを,理性を働かせることなく,多かれ少なかれ無意識的に受け入れたもののために,人々はいまだ,慣習が禁じたものはなんでも悪いことであると感じている。そして,知的にはそうではないと確信しているにもかかわらず,この感情は存続することがある。このようにして,この感情は,分裂した人格を生み出す。本能と理性はもはやともに手を取り合って歩むことはなく,本能はつまらないものになり,理性は貧血症を起こす。
What is called conscience, that is to say, the unreasoning and more or less unconscious acceptance of precepts learnt in early youth, causes men still to feel that whatever the conventions prohibit is wrong, and this feeling may persist in spite of intellectual convictions to the contrary. It thus produces a personality divided against itself, one in which instinct and reason no longer go hand in hand, but instinct has become trivial and reason has become anaemic.
Source: Marriage and Morals, 1929, by Bertrand Russell
More info.: https://russell-j.com/beginner/MM21-090.HTM
<寸言>
子供の頃に受け入れたものはその後長い間その人を支配するものになる傾向がある。そのため、支配層・体制派・保守派と言われる人たちは子供の頃に国家や社会(支配層)に対し従順な国民や市民をつくるために、幼い頃や若い頃に特定の考え方や感情(愛国心など)を吹き込みたがる。
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