バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル関係電子書籍一覧

 自分自身の動機を疑ってみることは,特に慈善家と行政官にとって必要である。・・・。行政官タイプの人は,自分のヴィジョンは正しく,これに反対するヴィジョンはいずれも誤っている,と確信している。しかし,主観的に確信しているからといって客観的に正しいという証拠にはならない。さらに,彼(彼女)の信念は,彼(彼女)がもたらした変革を考えることで得られる快楽のカモフラージュにすぎない場合がしばしばある。そして,権力欲のほかに,別の動機,すなわち,虚栄心がある。

Suspicion of one's own motives is especially necessary for the philanthropist and the executive. ... A man of the executive type is quite sure that his vision is right, and that any contrary one is wrong. But his subjective certainly affords no proof that he is objectively right. Moreover, his belief is very often only a camouflage for the pleasure that he derives from contemplating changes of which he is the cause. And in addition to love of power there is another motive, namely vanity, which operates strongly in such cases.
Source: The Conquest of Happiness, 1930, Chap.6:Envy, by Bertrand Russell.
 More info.: https://russell-j.com/beginner/HA18-050.HTM

<寸言>
 東大法学部などを出て官僚になった者はよく能吏と呼ばれる。自分の知力や知識の豊富さに自信を持っており、誰よりも的確な判断ができるという自信やうぬぼれをもっている。しかし、多くの方面で能力を持っていてもやはり限界がある。文系で理系にうとい(逆に理系で文系にうとい)とか、全分野に幅広い知識をもっているが現場に関する知識に弱いとか、やはり万能ではない。そのことを無自覚に過信して何でも処理をすると、大きな失敗をすることがある。森まさ子法務大臣のように失言によって窮地にたたされることがある。

 ラッセル関係電子書籍一覧
#バートランド・ラッセル / #Bertrand_Russell
   

Copyright: (c) Akiyoshi Matsushita (松下彰良) All Rights Reserved.