子供は空想が純粋(な空想)でありさえすれば,つまりそれが現実の姿である振りをしないかぎりその空想を愉しむ。しかし,子供たちは空想と事実とをはっきり区別している。したがって美しい童話を,それが事実であるかのように子供に提示する者は,子供たちがそのゴマカシを見破るやいなや,彼らの憤激を買う。・・・。子供は'ごまかし'を嫌うが,通常,そのような気持ちは年をとれば消滅する。(従って)子供に不快な真実を知らせない慣行は,決して大人たちが考えるように子供たちのために採用されたのでない。それは大人にとって卒直さが苦痛であるがゆえに採用されるのである。
Children enjoy fancy when it is pure, that is to say, when it makes no pretence to be reality, but they distinguish sharply between fancy and fact. The person who offers them pretty fairy tales as if they were fact rouses their indignation as soon as they find out the trick that has been played on them.... They have a dislike of humbug, which usually disappears in later life. The habit of screening them from the knowledge of disagreeable truths is not adopted for their sakes although adults may think it is; it is adopted because adults themselves find candour painful.
Source: On Protecting Children from Reality, by Bertrand Russell
More info.: https://russell-j.com/CHILD-P.HTM
<寸言>
子供は長いスパンで物をみることができないが、大人はそれができると言われる。しかし、実際は、大人は目先のことや短期間のことを考え、子供は論理的には間違った推理を行うことが大いにしても直感的に自分たちが将来不幸な目にあうことをさけようとする。気候問題もそうではないか? 経済的な利益を考え、徐々に対策をうつのが現実的と考えるが、敏感な若者は将来に対する不安を感じ、大人は無責任(短期的なことしか考えていない)と「感じる。