バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 ここにおいて,我々は民主主義の難しさの一つに接することになる。我々は学校を卒業すると,我々の外国に関する知識は,お寒いことであるが,新聞(注:現代においては「マス・メディア」)を通じてであり,新聞が我々の外国に関する偏見を満足させない限り(偏見に迎合しない限り),我々はその新聞を買おうとしない。その結果,我々の外国についての知識は,我々の偏見と感情を強めるようなものに限定される。これは,国際問題を正常に扱っていく上での最大の困難の一つである。自国優先主義の(国家主義的な)民主主義の制限内において,国際問題をどのように処理していったらよいか,私にはわからない。(注:つまり,もっと国際主義的な観点が必要だということ)。

We touch here upon one of the difficulties of democracy. After people leave school their knowledge of foreign countries, such as it is, is derived from the newspapers, and they will not buy a newspaper unless it flatters their prejudices. Consequently, the only knowledge they obtain is such as to confirm their pre-conceptions and passions. This is one of the great difficulties in the way of a sane conduct of international affairs, and I do not see how it is to be dealt with within the limits of nationalist democracy.
 Source: "As others see us" [From: Mortals and Others: Bertrand Russell's American Essays, 1931-1935, v.1 (1975)]
 More info.: https://russell-j.com/AS-O-SEE.HTM

<寸言>
 右から左までさまざまなメディアを冷静に比較しないといけないが、自分の意見をいわない評論家になってはいけない。いろいろな情報を得ながら、論理を構築していかなければならない。