バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

『バートランド・ラッセル-反核の論理学者』(学芸みらい社刊)p.177-178で引用されているラッセルの言葉です。(n.32)

戦争(戦闘)において殺されるだろうと恐れを抱く理由のある若者達は,人生が提供する最良のものをだましとられているとの思いによって苦痛を感じるのは正当なことであろう。しかし,人間の喜びと悲しみを知り,何であれ自分のなすべきことを全て行った老人の場合には,死の恐怖はいくらか卑しくかつ恥ずべきものである。死の恐怖を克服する最も良い方法は --少くとも私にはそう思われるのだが-- 自分の興味・関心を次第により広くかつより非個人的なものにして,ついには,自我の壁が少しずつ後ろにさがり,自分の生命が次第に宇宙の生命に溶け込むようにすることである。

Young men who have reason to fear that they will be killed in battle may justifiably feel bitter in the thought that they have been cheated of the best things that life has to offer. But in an old man who has known human joys and sorrows, and has achieved whatever work it was in him to do, the fear of death is somewhat abject and ignoble. The best way to overcome it -so at least it seems to me- is to make your interests gradually wider and more impersonal, until bit by bit the walls of the ego recede, and your life becomes increasingly merged in the universal life.
 Source: How to grow old, 1951 [In: Portraits from Memory and Other Essays, 1956、p.52]
 More info.: https://russell-j.com/beginner/0958HTGO-040.HTM

<寸言>
 興味・関心の対象が限られていると、自分が長い間興味・関心を持っていたことに興味・関心が持てなくなると、あっという間に人生が味気なくなってしまう人がいる。多くのことに心からの関心を持っている(持てる)人はそういうことはない。