精神障害の取扱いは,想像されるように,特に迷信的であり,医学の他のいかなる分野よりもずっと長期間そうであった。狂気は悪魔に取りつかれるせいだとされた。(そうして)そういう見解に対する権威付け(根拠)(aruthority)は新約聖書の中に見つけることができた。時には,(病気の)治療は,悪魔祓いにより,あるいは(聖なる)遺物にふれることにより,あるいは悪魔よ出てこいと命ずる聖職者の言葉により,効果を上げることができた。
The treatment of mental disorders, as may be imagined, was peculiarly superstitious, and remained so longer than any other branch of medicine. Insanity was regarded as due to diabolical possession -- a view for which authority could be found in the New Testament. Sometimes a cure could be effected by exorcism, or by touching a relic, or by a holy man's command to the demon to come forth.
情報源: Religion and Science, 1935, chapt. 4
詳細情報:https://russell-j.com/beginner/RS1935_04-060.HTM
<寸言>
肉体の病いは「病気」として合理的に扱われることが多い。しかし、精神の病い「病気」ではなく、その人間の悪さのせいや、「悪霊にとりつかれた」として扱われることが、医学が発達する以前の時代においては多かった。それは西洋においても東洋においても同様である。