バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

 単純な自然法則の発見だけでなく,我々がよく知ってい世界(world)の漸進的発展説も,天文学に始まった(注:聖書にでてくるような一瞬の内に神によって世界が創造されたとする説に対するもの)。しかし,前者と異なり後者については,それが最も顕著に適用されたのは,我々の惑星上(地球上)の生命の発展に関してであった。我々が今考察しようとする進化説は,天文学(注:宇宙進化説)に始まったはいえ,地質学や生物学において,一層学問的な重要性を持っており,その両者においては,コペルニクス説の勝利以後,天文学に対して注がれた偏見よりももっと頑迷な神学的偏見と闘わなければならなかった(のである)。

Not only the discovery of simple natural laws, but also the doctrine of the gradual development of the world as we know it, began in astronomy ; but the latter, unlike the former, found its most notable application in connection with the growth of life on our planet. The doctrine of evolution, which we are now to consider, though it began in astronomy, was of more scientific importance in geology and biology, where, also, it had to contend with more obstinate theological prejudices than were brought to bear against astronomy after the victory of the Copernican system.
 情報源: Religion and Science, 1935, chapt. 1
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/RS1935_03-010.HTM

 <寸言>
 人間が「実感」できるのは百年単位の人間の寿命の範囲内の時間。  億(年)単位の時間は論理的思考を詰めていって初めて可能となる。  だから、神によって一挙に世界が創造されたなんてことを想定してしまう。